子育てのひろば

【先生の思い】毎月1回発行している全日私幼連PTAしんぶんの、「ふれあい」欄に掲載された作品の紹介です。


3月 2月 1月 

年長組Mちゃんからの手紙
〜余裕を失っていた私の心を一瞬にして
  優しく変えてくれた手紙は新しい宝物〜
福井県・幼稚園 園長 高木 薫子

「♪たくさんの毎日をここで過ごしてきたね♪」

卒園式に歌う歌が聞こえてくるようになった頃、年長組のMちゃんが、「園長先生にお手紙持ってきたよ」と、恥ずかしそうに声をかけてくれました。「わあ、うれしいな。ありがとう」と受け取って、園長室で読んでみました。

ていねいに書いた文字で「えんちょうせんせいへ いつも ぶっさんのとき しんらんさまのこと おしえてくれてありがとう (後略)。 Mより」言葉の下には、「えんちょうせんせい」「M」と書いた顔が描いてあって、2人とも、にっこり笑って楽しそうです。

思わず、目頭が熱くなりました。一昨年から園舎建設等の雑務に追われ、なかなか今までのように子どもたちと遊べず、申し訳ないなと思っていました。さっそく返事を書きました。

「Mちゃん、おてがみ ありがとう。 Mちゃんのおてがみは えんちょうせんせいを とても はげましてくれて、うれしくて、おむねが いっぱいに なりました。(中略)Mちゃんと えんちょうせんせいの えをみていたら うきうきしてきました。 (後略)」

当園では浄土真宗の御教えに基づいた宗教的情操教育の一環として仏参を行っています。仏参では、「仏さまは、いつでもどこでも温かく優しく見守ってくださっていること。一人ひとりは、周りのたくさんの方々やものによって願いをかけられ、支えられているかけがえのない大切な子どもであること。自分の『いのち』の大切さに気づけたら、お友だちもみんな同じ『いのち』を生きている大切な存在だ」ということに気づいてほしいと、定番の「森の幼稚園」を舞台にした創作話や親鸞様の逸話などを話してきました。

その話をいつも一生懸命聞いていたMちゃんに、その願いが少しでも届いたということでしょうか。今は全て理解できなくても、心の片隅に残り大きくなってから気づいてくれるといいなと思います。

毎日の慌ただしさに余裕がなくなっていた私の心を、一瞬にして優しい気持ちに変えてくれたMちゃんのお手紙は私の新しい宝物になりました。
日々の子どもたちとのふれ合いの中で、育てられ支えられているのは私の方だと気づかせてもらえた嬉しい出来事でした。