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はるもをよろしくお願いします
〜障がいをもつ子の
進学を通した幼少連携への思い〜 |
| 福島県・幼稚園 副園長 生駒 恭子 |
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進学を間近に控えたある日、N小学校校長、擁護教諭、特別支援担当教諭の3名が来園されました。目的は、はるもちゃんという障がいをもつ園児の様子を見ることでした。はじめに障がいの特徴や現在の状況、子どもや保護者間の理解の状況、クラスの育ちなどを説明したあと、私は運動会直前の障害物競走練習中のエピソードを話しました。
その時、クラスの子どもたちから「走る順番を変えよう。みんながはるもちゃんより先に走って、あとから走るはるもちゃんを応援したい」と提案があったのです。そして「もし、はるもちゃんがどんなに頑張っても障害物を越えられない時は、みんなでおしりを押して超えるお手伝いをする」というのです。はるもちゃんを完走させてあげたいという、子どもたちの熱い思いが感じられた出来事でした。そんな話を伝えたあと、いよいよ保育室に3人の先生を案内しました。「こちらが校長先生です。幼稚園にも同じお仕事をしてくださる方がいるわね?」「園長先生でしょ!」「そうね!こちらが保健室の先生、転んだ時にお薬つけてくれる方。そして、こちらがみんなの相談に乗ってくれたり、時々叱ってくれる先生です」「順子先生や恭子先生と同じだね」「安心したでしょ。小学校にも、みんなを助けてくださる先生がたくさんいるのよ。今日はもうすぐ小学校へ行く君たちがどんなに天才か、見に来てくださったのよ」…そんな応答で保育室に楽しい笑いが広がります。
実はクラスの中でN小学校に進学するのは3人だけ。まず、そのうち1人の子どもが小学校の先生方にしっかりと自分の名まえを告げ「よろしくお願いします」とあいさつしました。順々に名まえが呼ばれてあいさつし、ついにN小学校へ行く、まるもちゃんの番になりました。クラスのみんなのあたたかい視線が注がれる中、もじもじと照れ始めるはるもちゃん…。
その時、誰かが「はるもちゃんの代わりに、みんなであいさつしてあげようよ」と言いました。その声に子どもたちは一斉に立ち上がり、3人の先生方に向かって背筋を伸ばし、言った言葉は「はるもをよろしくお願いします」。その言葉には、クラスみんなの大事な仲間「はるも」を思う心が込められていました。
その声を受けて、校長先生は凛と姿勢を正し、真剣な顔で「わかりました。こちらこそよろしくお願いします」と答えてくださいました。
はるもという子の育ちを通して間もなく卒園する園児たちは、どのような暮らしを織りなし、互いの思いを通わせ合い、触れあってきたか…。3年間の園生活の中で一人ひとりの心の中で紡ぎ上げた育ちの物語を小学校の先生方と共有し、よりよい連携ができたらと感じています。 |
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